SES企業とは?SESの優良企業の見分け方やSES契約のメリットデメリットを解説
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SES(システムエンジニアリングサービス)企業とは、専門的な技術者をプロジェクトごとにユーザー企業へと送り、システム開発や保守などの業務を行います。本記事ではSES企業に焦点を当て、SES企業とは? といった基本的な疑問から、SESの優良企業の見分け方、SES契約のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
SESとは
SESとは、システムエンジニアリングサービスの略称で、企業や団体にエンジニアが客先常駐し、システムの開発、ソフトウェアの保守、運用などを行い、エンジニアの労働力を提供する委託契約のなかの一つになります。SESはエンジニア派遣と混合されがちですが、派遣契約とは異なりSESの場合には一般的に【準委任契約】を結びます。
【準委任契約】とは
準委任契約は、法律行為ではない業務やプロジェクトにおいて、特定の専門家やサービスプロバイダーに一部の仕事を任せる場合によく用いられる契約形態です。準委任契約は、特定のスキルや専門知識が必要な場合や、プロジェクトの一部を外部の専門家に委託したい場合に適しています。
SES企業とは
SES企業とは、主に情報技術関連の製品やサービスを提供している企業で、クライアント企業に対してITエンジニアの労働力を提供するサービスのSESを行う企業です。
クライアント企業は社内のインフラ構築やシステム開発などを行う際に、業務に必要なスキルや専門知識をもつ人材を確保したい場合にSES企業を活用します。SESを利用すればプロジェクト終了後もエンジニアを雇用し続ける必要がなく、スポット的に技術力があるエンジニアを確保できるので、クライアント企業としてSESの活用は大きなメリットとなるでしょう。
SESがある大手企業例
SESを取り入れる企業は多数あり、中小企業から大手企業まで会社の規模はさまざまです。以下にSESがある大手企業例を挙げるので参考にしてみてください。
企業名 | 従業員数 | 資本金 |
---|---|---|
富士ソフト株式会社 | 連結:17,686名 (2023年9月末現在) | 262億28万円 |
株式会社システナ | 連結:5,703名(2024年1月1日現在) | 15億1,375万円 |
鈴与シンワート株式会社 | 連結:751名(2023年3月31日現在) | 8億225万円 |
株式会社システムサポート | 1,137名(2023年6月末現在) | 7億23百万円 |
昭和システムエンジニアリング | 463名(2023年10月1日現在) | 6億3,050万円 |
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SESの仕事内容や給料について
SESで働くエンジニアは案件ごとに異なる仕事に携わります。システム開発、テスト、保守、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を行うため、SESとして働くエンジニアは技術力を求められる傾向があります。
給料は案件により変動し、経験年数や能力によって携われる案件規模は異なります。一般的にSESのエンジニアの平均年収は約400万円程度が相場となります。
また、SESは通常、準委任契約を結ぶため、エンジニアの労働力に対して報酬が発生し、成果物の有無に関しての責任を問われることは原則としてありません。
そして、エンジニアに対しての指揮命令権はエンジニアが所属するSES企業になるため、クライアント企業が指示されることは基本的にはなく、もしクライアント企業が指示をした場合には【偽装請負】になる可能性があるため把握しておきましょう。
【偽装請負】とは
偽装請負とは、準委任契約や請負契約などを契約上結んでいるにも関わらず、クライアント企業の指示で働くなど、実際の働き方が派遣契約となっている場合を指します。罰則が課せられる場合もあるため注意が必要です。
SESとSIerの違いとは
SESはクライアント企業のプロジェクトごとに、エンジニアの労働力やスキルを提供し、技術支援します。契約は基本的には準委任契約となり、成果物に対しての責任は問われないのが特徴です。
一方で、SIerはソフトウェアなどの導入から保守といった業務全般を一貫して行い、SIerは一般的には請負契約を結びます。これにより、成果物を納期通りに納品をすることが前提となり、請け負った仕事を計画通りに進める必要があります。
SESではエンジニアの技術力を求められる一方で、SIerはクライアントが抱える問題を汲み取り、プロジェクトをまとめる指揮力が求められるでしょう。
SESと派遣エンジニアの違いとは
SESと派遣エンジニアも混同されがちですが、この2つには大きな違いがあります。違いを知らないと罰則が課せられることもあるため把握をしておきましょう。
SESでは、クライアント企業とは準委任契約を結び、エンジニアはクライアント企業からの直接の指示を受けず、SES企業の指揮命令権に基づいて業務を遂行します。一方で、派遣エンジニアは派遣会社と派遣先企業と派遣契約を結び、派遣先企業の指示に基づいて業務に従事します。
これにより、SESのエンジニアと派遣エンジニアは指揮命令権の発生元には大きな違いがあり、それに伴って業務の進行やコミュニケーションの取り方も異なるでしょう。
SES企業で働くメリット・デメリット
SES企業で働くエンジニアのメリット
SES企業で働くメリットは多岐にわたります。SES企業で働くメリットを以下に挙げます。
- さまざまなプロジェクトに参画でき幅広い経験ができる
- 異なる業務に携わり、専門性やスキルを身に付けられる
- 残業が少ない
- 未経験でも働ける場合が多い
- 大手企業とのつながりを持てる可能性がある
SES企業のエンジニアとして働くことで、さまざまな案件に参画できる機会が増えます。これにより、幅広いスキルの習得や専門性が高い技術を身に付けることができるでしょう。また、プロジェクトごとにいろいろな人と関わりができるため、人脈やコネクションづくりにもなります。
そして、残業時間が少ない傾向なのもメリットでしょう。SES企業とクライアント企業の間で労働時間を定めており、前述した通りクライアント企業がエンジニアに直接指示は出せないため、労働時間を越えて業務をすることはないでしょう。また、準委任契約では成果物の責任も問われないため、納期が迫っているなどで残業することも基本的にはないでしょう。
SES企業で働くエンジニアのデメリット
次に、SES企業で働く際のデメリットも紹介します。デメリットは以下になります。
- 収入が上がりにくい
- 案件ごとで環境が変わる
- 案件がないこともあり安定性に欠ける
SESのエンジニアは客先常駐していることもあり、適正な評価をされづらいことがあります。そのため、いくら頑張っても評価をされず、収入アップにつながらないと感じることもあるでしょう。
SESの給料は参画する案件によるため、案件によって給与が異なり、案件がない場合には収入が減るなど安定性に欠ける場合もあります。また、案件ごとに環境が変わるため、新しい環境に順応するのが苦手な方にはストレスを感じてしまうことでしょう。
SES企業を利用する側のメリット・デメリット
SES企業を利用することで、より高度なインフラ構築やシステム開発をすることができるでしょう。ここではSES企業を利用するメリット・デメリットを紹介します。
SES企業を利用する側のメリット
SES企業を利用する企業のメリットは以下になります。
- 技術を持つエンジニアを確保できる
- 人材管理をする労力がかからない
- IT人材教育のコストが減らせる
SES企業を利用すれば、必要なときにプロジェクトに適した人員をそろえることが可能でしょう。それにより、社内エンジニアを教育するコストや人材の勤怠や労務管理を省くことができます。
そして、SES企業を利用することでプロジェクトごとに最適なスキルや専門性を持つエンジニアを配置することができ、流動性あるIT分野のトレンドにも対応ができるため、プロジェクトを迅速かつ効率的に進めることができるでしょう。
SES企業を利用する側のデメリット
利点が多い一方で、デメリットも存在します。次にSES企業を利用する際のデメリットを以下に挙げます。
- 指示が出せない
- 契約期間がある
- セキュリティ面にリスクがある
SES企業とは準委任契約を結ぶことが多く、準委任契約ではクライアント企業はエンジニアに対して指示を出すことはできません。また、契約期間が設けられているため、数年以上にわたる長期的な人材育成やプロジェクトの持続的な遂行が求められる場合にはSES企業の契約形態が適さないことがあります。
そして、SES企業が提供するエンジニアはクライアント企業の社員ではなく、外部からの人材となります。この点がセキュリティ面での懸念を引き起こすことがあります。とくに、クライアント企業が取り扱う機密情報や重要な業務に関与する場合、外部のエンジニアがアクセスすることが潜在的なセキュリティリスクとなり得ることもあるでしょう。
優良なSES企業の見分け方
優良なSES企業を見極めるためには、いくつかのポイントがあります。以下にポイントを挙げます。
- キャリアパスや評価制度が明確
- 勤続年数が長い
- 教育や研修が整備されている
- 充実した福利厚生
キャリアパスや評価制度が明確
SES企業のなかには、昇進の条件やキャリアパスが不透明なところもあります。一方で、優良な企業は、キャリア構築をサポートしフィードバックの機会や昇進の条件が明確にあります。そのため、キャリアを描きやすくモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
勤続年数が長い
従業員の勤続年数が長い企業は優良SES企業である可能性が高いでしょう。これは離職率が低く魅力ある会社だといえるからです。ブラックなSES企業であると不満に思うエンジニアも多く離職率も高まる傾向にあります。そのため、平均勤続年数が短い場合には注意が必要です。
教育や研修制度が整備され若手も活躍している
ITトレンドは流動的であるため、エンジニアは常に新しい技術を取り入れることが求められます。そのため、優良なSES企業ではエンジニアの技術向上をサポートするために、教育や研修制度に力を入れ、エンジニアを大切に考えています。
また、若手社員が活躍するSES企業にも注目してみましょう。未経験や経験が浅いエンジニアでも活躍できるよう、しっかり教育制度が整っている可能性が高い企業と言えます。
充実した福利厚生
有給休暇の取得や育休産休など、福利厚生が充実しているかも大事になります。充実した福利厚生は、エンジニアの生活や働きやすさに大きな影響を与えるでしょう。
企業が社員の健康やワークライフバランスを重視し、豊かな労働環境を提供しているかが確認できるでしょう。
SES企業とは?優良なSES企業の見分け方やSES契約のメリットデメリットを解説のまとめ
SES企業で働くことは、さまざまなプロジェクト参画への可能性があり、エンジニアは幅広い経験を積むことができます。また、ユーザー企業もSESを利用することで、技術力のある人材をピンポイントで確保することが可能となり、効率的にプロジェクトを進めることができます。
優良なSES企業を見極めるためには、実績や研修プログラムや福利厚生などを比較し、信頼性を確認することがポイントです。SES契約を検討する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解し、自身のキャリアプランに合った選択を行うことが大切でしょう。