SES大手から優良企業まで一覧で紹介|ホワイトなSES会社の見分け方も解説
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SESはシステムエンジニアリングサービスの略称です。本記事ではSESの大手企業から優良企業までを一覧で紹介します。さらに、ホワイトな労働環境を提供するSES会社の見分け方やSES会社で働くメリット・デメリットも解説。SES会社へ転職や新たなキャリアを考える方はぜひ参考にしてみてください。
SES会社とは?
SESとしての働き方
SES(システムエンジニアリングサービス)は、企業や団体のITインフラ環境の構築やシステム開発、運用・保守などを専門的に担当するエンジニアが、SES会社を通じてプロジェクトごとに従事する仕組みです。
SESエンジニアはクライアント企業にプロジェクト単位で派遣され、プロジェクトが終了すると次のプロジェクトに移動するのが一般的になります。
SES会社から派遣される形ですが契約は準委任契約になり、これをSES契約とも呼びます。
この契約は作業時間のみに報酬が発生し、成果物の責任は問われません。そのため、成果を出せなくても報酬は保証されます。
SESはやめとけ?
SES会社はブラックだといわれています。その理由として、SES会社は下請けが多く、SES会社が下請け構造の下層になってくるとエンジニアの単価が下がってしまうからです。
また、単純な工程が多い現場だと仕事へのモチベーションを保つことが難しくなったり、さまざまなプロジェクトや企業へ派遣されるため、評価基準が曖昧になり評価をしづらい傾向にあるからです。
「SESのホワイト企業を選ぶポイント」で、ホワイトなSES会社の見分け方を解説します。
SESの年収は?
SES会社で働くエンジニアの年収の目安は以下になります。
- 新卒 300万円前後
- 3年目 300~350万円
- 5年目 350~400万円
- 10年目 450~500万円
15年以上経ちリーダークラスや役職が付き、高度な専門知識やリーダシップなどの能力があればさらに年収は期待できるでしょう。高待遇の会社では600~800万円ほどになる可能性があります。
SESの年収はIT業界の中だと低い傾向にありますが、一般企業と比較すれば平均か、やや高めの水準です。
【こちらもおすすめ】2024年版|エンジニアの平均年収は?20代~30代など年代別の相場を解説
SES会社で働くメリット
さまざまなプロジェクトの経験
SES会社で働くことで、大手や有名企業のプロジェクトに参画する機会が増えます。これにより、大手企業の社員とのコネクションを築くチャンスが広がり、将来転職するときに優位に働くこともあるでしょう。
また、大手企業でのプロジェクトの経験は転職時のアピールポイントにもなります。
スキルの成長
SES会社での仕事は、プロジェクトごとに変化し異なるため、多岐にわたるスキルや知識を身につけることができます。
将来的にフリーランス転向や大手に転職するときに、この経験がご自身のキャリア形成を手助けすることになるでしょう。
人脈やコネクションを広げられる
プロジェクトが変わる度にクライアントや関わる人も変わるため、交流が増え多彩な人脈を築くことができます。
また、自然とコネクションも広がり、新たなキャリアを見つける機会にもなるでしょう。
長時間残業が少ない
SES契約は定められた労働時間内での業務が基本です。そのため、それ以上の業務を課せられることはなく長時間残業が少ないメリットがあります。
仕事とプライベートの両立がしやすい環境なのも魅力でしょう。
人間関係での悩みが少ない
プロジェクトごとに異なる現場で働き、一か所に長い間常駐することがほとんどないため、人間関係の悩みが少ないとされています。
新しいプロジェクトでは人間関係がリセットされるため、仮に苦手な人がいたとしても長い間悩まされることはありません。
SES会社で働くデメリット
新しい環境への適応
SESのエンジニアは契約期間が終れば新たな職場に配属されるため、プロジェクトごとに人間関係や勤務環境が変わり、これがストレスの原因となることがあります。
収入アップしにくい
プロジェクトの下流工程が多く、クライアント企業との契約に基づいた給与のため、大きな成果やプロジェクト成功に応じた報酬は期待しにくい点があげられます。
また、下請け構造の下層のSES会社では中間マージンが発生し、さらに収入が減少する傾向にあります。
キャリアへの不安
割り振られる案件が下流工程で単純な作業が中心の場合、専門性を高めることが困難となりスキルアップが難しくなります。
また、基本的にはSES会社が担当する仕事を決めるため、希望する仕事や職場に就けるとは限りません。それにより、自身のスキルアップやキャリア形成に制約が生じる可能性があります。
やりがいを感じれないこともある
クライアント企業の要望やプロジェクトに応じて業務を担当するため、自身の希望が通りにくい場合もあり、モチベーションややりがいを見つけにくいことがあります。
また、プロジェクトごとに異なる現場で働くため、成果物の完成を見ることなく業務が終了することがあり、責任感や達成感を感じにくいデメリットがあげられます。
SES会社8選|大手企業から優良企業まで
【1】富士ソフト
「富士ソフト」は、インフラ基盤からアプリケーションまで幅広い領域にわたるシステム構築が可能な独立系SIerとして有名な企業です。
SESも提供しており、将来的に大手のSlerとしてキャリアを築きたい方におすすめです。
企業名 | 富士ソフト株式会社 |
売上高 | 2,787億円(※2022年時点) |
従業員人数 | 9,507名 (2023年9月末現在) |
【2】システナ
「システナ」は、近年の動向に合わせて自動運転や車載システムなど自動車業界向けのソフト開発に注力しています。
また、未経験者からエンジニアとしてのスキルを身につけるための教育制度もあるため、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせることも実現できる企業です。
企業名 | 株式会社システナ |
売上高 | 745億2,600万円(※2023年3月期連結実績) |
従業員人数 | 4,262名(2023年10月1日現在) |
【3】コムチュア
「コムチュア」は、ビッグデータやAI、IoTなど積極的に新しい技術を取り入れている企業で、近年クラウドソリューション事業に力を入れており、社内システムのクラウド化が進み売上が伸びています。
また、女性が働きやすい環境など、労働環境も整えられているのも魅力です。
企業名 | コムチュア株式会社 |
売上高 | 290億5,630万円(2023年3月期) |
従業員人数 | 1,818名 (2023年4月1日時点) |
【4】フォーカスシステムズ
「フォーカスシステムズ」は、公共システム、通信制御システムや組込みシステムなどの開発からドローン研究、IoT、AIなどの新しい分野にも注力している企業です。
SESエンジニアとして、ITサービスやシステムインテグレーション、情報セキュリティといった多様なプロジェクトに携わることが期待されます。
企業名 | 株式会社フォーカスシステムズ |
売上高 | 291億円(2023年3月期) |
従業員人数 | 1,304名(2023年3月末現在) |
【5】システムサポート
「システムサポート」は、ICTを活用したシステムコンサルティングから企画・開発・構築、運用・保守までトータル的にサービスが提供できる企業です。
医療や流通、製造などの幅広い業界など、多岐にわたるプロジェクトに携わることが期待されるでしょう。
企業名 | 株式会社システムサポート |
売上高 | 192億円(2023年6月期・連結) |
従業員人数 | 1,137名(2023年6月末現在) |
【6】鈴与シンワート
「鈴与シンワート」は、ITインフラから業務のシステム開発、業務のアウトソーシングまで、ICTソリューションをワンストップで提供する企業です。
平均残業時間が最小限に抑えられ、社員を大切にする会社として、「健康優良法人2023」に認定されています。
企業名 | 鈴与シンワート株式会社 |
売上高 | 155億円(2023年3月) |
従業員人数 | 751名 (2023年3月31日現在) |
【7】昭和システムエンジニアリング
「昭和システムエンジニアリング」は、金融分野のシステム開発を中心に、流通、製造、医療や公共サービスまで、幅広い分野で開発をおこなう企業です。
研修制度も整っており勤続年数も長く、キャリアパスを築きやすいのも魅力です。
企業名 | 株式会社 昭和システムエンジニアリング |
売上高 | 70億8,608万円(2023年3月期) |
従業員人数 | 476名(2023年4月1日現在) |
【8】ソルクシーズ
「ソルクシーズ」は、プログラムの作成だけではなく、インフラ構築からシステム開発、保守・管理までを総合的に提供できる企業です。
金融系のシステム開発が強く、受託開発や自社開発とさまざまな事業に取り組んでいます。残業時間も少なく、労働環境も整えられているのも魅力です。
企業名 | 株式会社ソルクシーズ |
売上高 | 連結:139億円/単独:97億円(2022年12月期実績) |
従業員人数 | 493名(2023年6月30日現在) |
IT業界の転職に迷ったらエージェントも活用しよう
SESとして新たなキャリアを築きたい、今の会社を変えたいと思っても、忙しい合間に一人で転職活動をおこなうのはとても大変なことです。そのため、思いとどまっている方もいるのではないでしょうか。
そんなとき、転職エージェントを利用することで、ご自身にマッチした求人を紹介してもらえたり、転職のプロのアドバイザーに今後のキャリアパスについても相談ができます。
そして、書類添削や面接の対策、スケジュール調整や待遇面での交渉、入社後のアフターケアなどさまざまサポートをしてもらえるため、在職中で忙しい方でも安心して転職活動に臨めます。
IT業界に特化した転職エージェントをピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください!
ギークリー
「ギークリー」は、IT・Web・ゲームに特化した転職エージェントで、専門性の高いキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。
非公開求人を含め、業界に特化したバリエーションの豊かな求人からご自身に合う求人を厳選して紹介してくれるため、転職が決まりやすいのも魅力です。
書類の締め切りや面接などのスケジュール管理もおこなってくれるため、働きながらでも転職活動が進められるのもうれしいポイントでしょう。
運営会社 | 株式会社Geekly |
職業紹介事業許可番号 | 13-ユ-305272 |
労働者派遣事業許可番号 | 派13-305136 |
レバテックキャリア
「レバテックキャリア」は、ITエンジニアやクリエイターなど専門職に特化した転職エージェントです。
業界知識が豊富なアドバイザーが情報を提供し、ご自身の経歴やスキルに合わせて適正なポジションへの転職をサポートします。
「レバテックフリーランス」と提携しており、フリーランスの活動も視野に入れて転職活動をおこないたい方にもおすすめです。
運営会社 | レバテック株式会社 |
職業紹介事業許可番号 | 13-ユ-308734 |
労働者派遣事業許可番号 | 派13-308125 |
SESのホワイト企業を選ぶポイント4つ
【1】元請け、2次請けが全体の半数以上
SES会社の営業力があれば、エンジニアが希望する仕事に配属される確率が上がります。元請や2次請けが多いところは営業に力を入れている可能性があり、これはホワイト企業の特徴といえます。
とくに、2次請けが案件全体の半数を超えている場合は、信頼性があると考えてもいいでしょう。
【2】経験あるエンジニアの人数
30~40代の中堅層エンジニアが多い会社は優良なSES会社である可能性が高いです。これは、離職率が低く、魅力ある会社だということがいえるからです。
また、経験を積んでいるエンジニアが多く在籍し、チームリーダーなど責任ある立場を任されるエンジニアが多いかなどエンジニアの実績も確認しておくといいでしょう。
【3】自社開発製品があるかどうか
今もなお自社製品を開発しているSES会社は、ホワイト企業である可能性が高いです。自社製品の開発には技術力や体力を要するため、成功している企業は優れた技術力を有しているということになります。
そのことにより、社員に対する還元や設備投資もしっかりでき、ホワイトな労働環境に期待が持てるでしょう。
【4】キャリアを築いていけるかどうか
SES企業の中には、昇進の条件やキャリアパスが不透明なところもあります。一方で、優良な企業はキャリア形成をサポートし、昇進条件やフィードバックの機会が設けられています。
そのため、キャリアパスが明確であるかを確認することで、ホワイト企業なのかチェックすることができます。
SES会社で働くならホワイトな環境を見分けるのが重要
SES会社はブラックな環境になりやすい傾向もあるなか、ちゃんとした会社を選べば、さまざまなプロジェクトに参画することで専門知識や技術の向上、コネクションなどが広がりキャリアアップも狙えます。
SES会社に転職する際は、「元請けや二次請けが多い」「経験豊富な中堅のエンジニアがいる」「自社開発製品を有している」「キャリア形成のサポートがある」などを基準に、ホワイトな環境である会社を選びましょう。
自分一人でそういった会社を選ぶのが難しい場合には、転職エージェントも上手に利用してご自身の可能性を広げていきましょう!