名ばかり正社員とは?その特徴と名ばかり正社員にならないようにするには
Table of Contents
近年、日本の企業において増加する「名ばかり正社員」。正社員でありながら業務内容や労働条件、待遇などが非正規社員と同等、またはそれ以下の労働者を指します。本記事では、名ばかり正社員とは?といった疑問から、そうならないためのポイントを紹介していきます。
名ばかり正社員とは?
名ばかり正社員とは、正社員であるにも関わらず、非正規雇用者やアルバイト・パートと待遇が変わらない労働者を指します。
雇用形態と待遇のギャップ
名ばかり正社員は、雇用形態や待遇において非正規雇用に近い待遇しか受けていないことがあります。給与水準や福利厚生が低く、ボーナスや退職金がない可能性もあります。
業務内容の不透明さ
名ばかり正社員は正社員であるために、責任の重さや仕事の量や幅、必要な時は残業もあります。そのため、仕事に対して求められることは、非正規雇用やアルバイト・パート以上になることも少なくありません。
無期雇用だけが名ばかり正社員の救い?
名ばかり正社員は労働条件の悪さや待遇に不透明さを抱えていまが、正社員ならではのメリットとして無期雇用であることがあげられます。
非正規社員、特に派遣社員の場合は契約期間が終わると仕事を失うリスクがあります。契約の更新が不確かであり、派遣の場合は同じ職場での雇用期間に上限が設けられています。一方で、名ばかり正社員の雇用形態は無期雇用で、会社が倒産、リストラがない限りは安定して働き続けることができます。
しかし、名ばかり正社員が無期雇用であるからといって、リスクが本当に低いかは疑問が残ります。待遇が悪い場合や企業の経営状態が不安定な場合、無期雇用であっても仕事を失うリスクはあります。会社の将来の安定性や従業員を守る姿勢が見えにくい場合、無期雇用が本当に救いとなるかどうかは疑念が残ります。
名ばかり正社員にはこんなケースも
名ばかり正社員のケースは多岐にわたりますが、その中でも待遇の悪さや社会保険未加入といった深刻な事例が存在します。
社会保険未加入の事例
一部の企業では、労働者を社会保険に加入させないケースがあります。これは、企業が社会保険料の負担を避けるために、正当な手続きを踏まずに社会保険未加入のまま働かせている可能性があります。この状態では労働者は健康保険や厚生年金などのサービスを受ける権利が制限され、将来的に困ることとなるでしょう。
サービス残業による賃金低下の事例
名ばかり正社員が給与の面で非正規労働者と同等またはそれ以下の条件で働かされるケースもあります。たとえば、基本給が低いままでありながら、長時間のサービス残業が課せられると、実質の労働時間に対する報酬が最低賃金を下回ることがあります。これにより、正社員であるにもかかわらず、アルバイトと同様の待遇で働かざるを得ない状況が生まれます。
名ばかり正社員にならないためのポイント
名ばかり正社員にならないためには、以下の具体的なポイントに気をつけることが大切です。
給与や待遇面の確認
入社前に雇用契約書を入念に確認しましょう。雇用条件や給与、福利厚生などが明示されているかを確認することで、不透明な状況を避けることができます。契約内容に不明なことがある場合は、質問をして明確な回答を得るようにしましょう。その際に「給与はいくらになりますか」など、ストレートに質問をしてしまうと悪い印象を与え兼ねないため、「入社後のイメージを具体的にしたいのですが、給与や休暇システムを教えていただけますか」といった質問を、最終面談や内定後にしてみましょう。
企業の評判や口コミの調査
インターネットやSNSなどを活用して、企業の評判や元従業員の口コミを調査しましょう。特に名ばかり正社員の問題が顕著な企業は、社員の声がネット上で共有されることがあります。
業界の標準的な条件の把握
同じ業界における一般的な雇用条件や給与水準を把握しておくと、企業が提示している条件が妥当であるかどうかを判断しやすくなります。標準的な条件を下回っていれば、その理由を調べることも大切です。
企業の安定性の確認
倒産やリストラが懸念される企業で働くことは、将来的な雇用安定性に影響を及ぼす可能性があります。企業の将来の展望や安定性についての情報を得ることも重要です。
自分が名ばかり正社員だったら
名ばかり正社員であることに気付いた場合、以下のことを意識し、対処していきましょう。
雇用契約書の確認
ご自身の雇用契約書を再度確認し、記載されている条件と実際の労働条件が一致しているか確認します。契約内容に不明瞭な点があれば、会社や人事部門に確認をして疑問を解消しましょう。
上司や人事担当に相談をする
ご自身の待遇や労働条件がおかしいと感じた場合、上司や人事担当者とコミュニケーションをとり改善するようにしましょう。具体的な要望や不満点を明確に伝え、解決策を模索することが大切です。
労働基準監督署への相談
労働条件が法令に違反していると感じた場合、地域の労働基準監督署に相談することができます。労働基準法は労働者の権利を保護する法律であり、不正規な雇用形態に対する救済措置が存在します。
新しい雇用先を考える
ご自身の状況が改善されない場合、新しい雇用先を検討することもひとつの選択肢です。適切な労働条件を提示してくれる企業を見つけ転職活動することで、より良い労働環境を手に入れることができるでしょう。
名ばかり正社員はどう解決する|日本の働き方改革
「働き方改革(Workstyle Reform)」は、労働環境や働き方に関する大規模な改革を指す言葉です。この概念は、労働者の働きがいや生産性向上を図り、柔軟性や多様性を尊重することを目指しています。主な特徴や目的は以下の通りです。
労働時間の短縮と柔軟性の向上 | 長時間労働の是正や、柔軟な働き方の導入を通じて、働く時間と生活のバランスを整えることが求められています。これは、過労やストレスの軽減、働く人々の健康促進を目指すものです。 |
テレワークの推進 | 情報技術の進化により、働き手がオフィスに依存せずに柔軟な場所で仕事を行うテレワークが重要視されています。特に、災害や感染症のような緊急時において、テレワークの導入が業務の継続性を確保する手段として注目されています。 |
女性の活躍促進 | 男女平等を推進し、女性が職場でキャリアを積みやすい環境づくりが働き方改革の一環として強調されています。女性が働きやすい環境を整えることで、労働力の活用が最適化されると期待されています。 |
働き方の多様性 | 正規雇用だけでなく、非正規雇用やフリーランスといった働き方も含め、様々な働き方を尊重し、それに適した労働条件を整備することが求められています。 |
労働環境の改善 | 労働者の労働環境や働きがいを向上させるために、ストレスチェックの導入や労働環境の改善策を検討するなどが含まれています。 |
このように、日本では働き方改革が進められていますが、「名ばかり正社員」が増えるといった現実があります。将来的に働く環境が良くなりさまざまなことに挑戦ができ、可能性が広げられる社会になると良いですね。
名ばかり正社員を辞めたいと思ったら転職がベター
名ばかり正社員と気付き働くなかで、給与や待遇の面で不満を感じるようであれば転職することもひとつの手です。
現代、人手不足といわれるなかで優良な企業は必ず存在します。すぐに給与アップの期待はできないかもしれませんが、ご自身の将来を真剣に考えてキャリアの可能性を追求するなら、転職することがおすすめです。
名ばかり正社員としての状況から抜け出し、より充実した職場で働くことで未来への可能性を広げていきましょう!